LGBTわからんカフェ イベントレポート
2020年2月8日(土)、コーワキングカフェ・バー大人座にて、『LGBTわからんカフェ』を実施しました!ゲストには、パレットーク編集長のAYAさんが東京から、対する札幌からはL-Port等で活動され、2019年2月の同性婚同時訴訟した13組のうちの1組として猛烈闘い中のえりさんにお越しいただきました。
- テーマ1『なんて呼んだらいいの?』
- テーマ2『それ、決めつけてない?』
- 性のあり方シート
- テーマ3『同性婚は必要なの?』
- セクシュアルマイノリティの人たちに、何か役に立ちたいと思ったら
- 大事なおしらせ
テーマ1『なんて呼んだらいいの?』
AYAさんが編集長を務めるパレットークのマンガを用いながら、進めさせていただきました。
Palette基礎知識②
— パレットーク / 多様性×マンガ (@palettalk_) 2019年7月24日
〜呼び方と尊重の話〜
「LGBTQ+の人をなんて呼んだらいいの?」
パレットのメンバーが普段使わないようにしている言葉とその理由を紹介するよ!#Palette基礎知識 pic.twitter.com/vAOQOwwm4o
その中で、えりさんは過去に「LGBTの方」と言われてとても違和感を持ったお話をされ、そもそもLGBTってどんな意味なのかをご説明いただきました。
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの総称!レズビアンは、自分を女性だと思っている人が女性のことを好きになる人で、たとえばLGBTのTであるトランスジェンダーは自分の体の構造的な性別と自分で自分の思っている性別がちぐはぐな人のことを言うから、レズビアン(L)とトランスジェンダー(T)って全然違うものだと思うんだよね。なので総称であるLGBTを使って「LGBTの方」と呼ぶのはちょっと違和感があるのは当たり前なんだろうと思う。
テーマ2『それ、決めつけてない?』
これはテーマの表紙で、社会にはびこっていそうな”決めつけ”を、薄い字で書いてみました。
レズだからボーイッシュ?
ゲイはマッチョが好き?
オカマはみんなトークが面白い?
ゲイは女と男の気持ちがわかる?
オネエ言葉使っている人はみんなゲイ?
女が好きな女は男になりたい?
ボーイッシュなレズビアンはいるかも知れないけど、レズビアンはみんなボーイッシュではありません。テレビで面白い痛快なトークをするゲイはいますが、ゲイみんながそんなトーク術を持っているわけではありません。
ゲストお二人が体験した「決めつけられたこと」をお話いただくとともに、なぜそういう決めつけが生まれるのかを紐解いてみました。答えが出たわけではないけれど、一つの仮説としては『男女の性別的な役割に”異性を愛すること”が入っているのでは』というもの。
男性は、女性を愛するもの、守るもの。だから、女性を好きな人はみんな男性だ。みたいな…逆にこれはセクシュアルマイノリティ同士でもあるみたいで、付き合う女性に対してもっと男らしく振る舞ってほしいみたいな(道路は車道側歩いて…みたいな)、そういう要求をしてくるレズビアンの方もいたそうです。
その女性をやり玉に上げているわけではなくて、多くの人が、男女の性別に役割を無意識にもたせているかもしれない、ということ。女性同士付き合っていても、どちらかが男役・女役ではなくて、女性二人なんだよね。
そう考えてみると、『決めつけ』って誰かが考えたなんとなくの『普通』。いやそもそも『普通』ってなんだろう。
ここで私の話です。過去、ゲイカップルの目の前で、シスジェンダーヘテロセクシュアルの女性から「ノンケってなに?」と聞かれたことがあります。咄嗟のことだったので私は「普通に私達のようなことだよ」って言ってしまったのだけど、その直後場の空気が凍ってすぐに気が付きました。ゲイカップルの「普通」は、同性を好きになること。私の普通は異性を好きになることだけど。それ以来、私は普通という言葉恐怖症だし、上手く説明できるように書籍を読むようになりました…
多分みんなの普通ってぜんぜん違うけれども便利な言葉だから使っちゃうよね。AYAさんも「文脈で、どういう意味合いで使ったかはわかるからそんなに気にしなくて大丈夫ですよ」とはおっしゃっていましたが、改めて「普通とはなにか」を考えるきっかけとなりました。
性のあり方シート
AYAさんのメディアで「性のあり方シート」というものを作っているので、ゲスト2名と私でやってみました。これは他人に自分のことを伝えるときも、自分のことを考えるときも使えるかもしれません。
AYAさんもえりさんも同じ”レズビアン”ですが、グラフ化すると全然違うことが分かります。
えりさんは全部吹っ切れている!
AYAさんは現在の交際者とお付き合いしてから、恋愛感情について考えることが増え、「恋愛感情は分からない」になったそうです。
私はこんな感じ。好きになる性のこと、恋愛感情や性的欲求の度合いとか、そんなに考えたことがなかったな!
時間や環境と共に変わるみたい。自分だけで考えているとモヤモヤしてしまうので、可視化してみると「なるほど!」と発見があるかもしれません。
ちなみに、私のように「自分を女性だと思っていて、体の構造的にも女性」という、心と身体の性別が一致している人のことを『シスジェンダー』と言うそうです。また、好きになる人が異性の場合は『ヘテロセクシュアル』なので、私のセクシュアリティは『シスジェンダー・ヘテロセクシュアル』だそうです。みんな、使っていこう!
テーマ3『同性婚は必要なの?』
日本では、同性同士婚姻を結べない事になっています。多くのヘテロセクシュアル(異性愛者)は「そんなの関係ねぇ〜!」って思っていることだと思います。そう、同性愛者が結婚できるようになっても、良い意味で異性愛者の人生に影響はないんです。ただ日本に幸せな人が増えるだけ。なのに、未だに日本では同性同士の婚姻は認められていません。
「そんなのおかしい、不利益を被っている」2019年2月14日に、全国4箇所で同性カップル13組による同時訴訟が行われました。札幌からは3組が提訴し、そのうちの1組は今回ゲストで登壇してくださったえりさんです。
えりさんは14年も現在のパートナーさんとお付き合いしているのですが、「婚姻関係」という関係性ではありません。そうなるとどんな不利益があるかと言うと、例えば病院。病院にもよりますが、家族じゃないと立ち会えない場合があったり病室に入れてもらえなかったり、生命保険の受け取り者になれなかったり、ローンを共同でも組めなかったり、遺言なしでは遺産相続できません。自治体が発行する「パートナーシップ制度」もありますが、自治体によって内容が違ったり、発行することでお金がかかったり、サービスを提供する側が対応しきれなかったりと、やはり婚姻ほどの強固なものではありません。
「権利がある上で結婚をする、しない、を選べる」のと、「権利がそもそもない」のでは大きく状況が違うことを改めて理解できる機会となりました。
セクシュアルマイノリティの人たちに、何か役に立ちたいと思ったら
ゲストのお二人に、「今日のイベントに来てくれて、”何かしたい!”と思った人がいたら、まずは何から始めたらいいんでしょうか?と。
えりさん「同性婚同時訴訟の裁判傍聴に行くこと。そして、選挙に行くこと」
AYAさん「軽いアライでいい。気軽にレインボープライドのパレードに参加してみるとか、そんなことからでいい」
※アライとはセクシュアルマイノリティ当事者ではないものの、共感し応援する立場をとっている人のこと
と、教えてくれました。
私がいくらイベントを企画したからって、軽いアライを増やせたって、結局は選挙で同性婚を実現しようとしている人に当選してもらわないと現実は変わっていきません。政治って難しいけれど、大好きな人たちが幸せに暮らせる可能性が高まるという基準で選んでもいいかもしれない。
レインボープライドも、ボランティア参加もあるけれど、パレードだけふらっと参加しても全然よい!それに、ブースがたくさん出店しているので、それを見に来るだけでもOK!色とりどりなバルーンを持って札幌中心部を歩くのはとっても楽しいので、今年の9月、ぜひ遊びに来てみてください!
#LGBTわからんカフェ
こちらのハッシュタグを検索していただくと、イベントの感想が見れるようになっています。ゲストお二人のツイートを載せておきます!
札幌にきた〜!雪まつり真っ最中なのですが、ちょっとセクシュアリティやジェンダーのことを考えるきっかけになるイベントに呼んでいただいたので、お話ししてくるよ⛄️💕 #LGBTわからんカフェ
— パレットーク編集長 / AYA (@ayapalette__) 2020年2月8日
終了しましたー!!お越しいただいた皆様ありがとうございました😊❤️
— えり (@esososo1106) 2020年2月8日
憧れていたAYAさんとの対談、めちゃくちゃ貴重でした...😭オーガナイズしてくださったおかぴーさんに感謝ですm(_ _)m
大人座、入口が鹿の角で、壁が白樺で私のツボでした🦌笑 pic.twitter.com/6oM2VgKDOM
大事なおしらせ
2020年2月29日(土)18:30-20:30@札幌エルプラザ3階ホール
しゃべろう同性婚イベント
2020年3月9日(月)14:00〜@札幌地方裁判所の第805号法廷
「婚姻の自由をすべての人に」同性婚同時訴訟 第5回口頭弁論
2020年9月12日(土)
札幌レインボープライド
AMBIRD(アンバード)|ゲイ恋活・友活アプリ
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